フリーのメール&RSSリーダーソフト「Thunderbird 2」が07年4月19日にリリースされました。
日本語版を含めた各国版が、Windows/Linux/Mac OS Xに対応しててリリースされています。

主な変更点
- タグ機能の追加(Gmailでいうラベル)
- ブラウザのようなツールバーの戻る・進むボタンの表示履歴移動
- Gmail等のウェブメールとの連携の強化
- メール本文の文字検索でインクリメントサーチ(文字入力の度に検索候補に移動する)
- フィッシング詐欺対策の強化:危険と思われるURLを検知して警告メッセージ通知

実は、かなり待ちこがれていました。
Gmailのようなタグ機能で、普通のメールソフトのフォルダによる仕分けと、Gmailのラベルのようなタグ機能により複数の意味を持たせた仕分けが可能となります。これはメールにもRSSリーダーにも適用できます。
今更ながら、改めてGmailのラベル機能について。
例えば、同僚からのメールで内容は仕事とプライベートな旅行について書いてあるとします。普通のメールソフトの場合、「会社」「同僚」「プライベート」等のフォルダを作って仕分けると思いますが、メールの内容的にどのフォルダに仕分けるか悩むことがあります。
このラベル機能を使えば「会社」「同僚」「プライベート」のラベルを貼り付けてしまえば、「会社」「同期」「プライベート」のどのラベル(フォルダ)を見てもそのメールが表示されます。これにより細かい意味(ラベル)づけを持たせて、より細かくメールを管理できます。
同じような事が、Thunderbird 2 でも可能です。基本はフォルダ構造で管理されていますので、直接タグ機能で表示できません。そこで検索フォルダを使います。上の画像にあるメッセージの場合、「Firefox」「ブラウザ」「セキュリティ」のタグが付いているので、複数の検索フォルダで同じメールを見る事が出来ます。
操作手順1.タグを作成して、メールにタグ付けをする。(直接タグ付けの場合)
2.メッセージフィルタでタグ付けする。(フィルタによるタグ付けの場合)
3.検索で対象のタグを検索する。
4.検索結果を「検索フォルダとして保存」ボタンで保存する。
5.普通のフォルダのように検索フォルダを開いて閲覧する。
件名に「Firefox」が付くRSSフィード(記事)をタグ付けをする例です。
勿論、メールも全く同じです。
1.メールを選択してツールバーのタグボタンを押下して、タグ一覧よりタグ付けを行います。この時に、新しいタグを作って付けることが可能です。タグは色を付けてメール一覧でわかりやすくすることも出来ます。「新しいタグ」を選択して、Firefoxタグを作成します。
また、ツール > オプション > 表示 > タグ で、タグの追加と削除、色の変更が出来ます。

2.メッセージフィルタは、メール受信時にタグ付けしたりフォルダに仕分けをしたり、転送したりする機能です。メッセージフィルタの作り方は、ツール > メッセージフィルタ で一覧を開きます。
新規ボタンで新しいフィルタの作成画面に移動し、フィルタの名称、フィルタの条件、フィルタの動作を指定します。
条件は「件名」・「に次を含む」・「Firefox」とします。後ろの「+」ボタンで新しい条件の追加、「-」ボタンで条件の削除をします。今回は、さらに「Mozilla」の件名を追加しました。この場合、「いずれかの条件に一致」を選び、Firefox と Mozilla のどちらの件名でも適用されるようにします。
フィルタの動作として「メッセージにタグを付ける」・「Firefox(タグ名)」を選びます。このタグ名は、前もってタグを作成する必要があります。


3.1と2でメールに付けたタグを検索します。
メールフォルダを右クリックして検索を選択します。条件を「タグ」・「に次を含む」・「Firefox」を選択して、検索ボタンを押下します。検索条件は2のメッセージフィルタと同じ方式です。

4.検索結果を右下の「検索フォルダとして保存」ボタンで保存します。これで左のフォルダ一覧に虫眼鏡アイコンの検索フォルダが作成されます。

5.あとは検索フォルダを見ると、Firefoxタグが付いたRSSフィードのみが見れます。但し、メールの数が多いと検索フォルダも遅くなります。ここら辺はPCの処理能力に左右されます。新しいメールがない場合は検索結果を保持しているので高速に見れるようです。
これだけを見るとタグ付けせずに直接検索フォルダに条件を入れた方が早そうですが、件名・本文で全てのメールを検索するのは処理速度が遅いです。メール受信時にタグ付けすると処理が複雑な条件は受信時だけで、検索時は単純な検索条件で済むので処理速度も操作も楽になります。また、検索条件では探しづらい内容でも、予めタグ付けをしておけば後で検索しやすいです。受信したメールなどは想定しやすい言葉で書いていないことがあり、意外に探すのに苦労しますからね。
もともと、Thunderbird にはラベル機能という物がありメール等に意味を持たせることが可能でしたが、少々使いづらい物でした。これは大きな進歩だと思います。
メールの戻る・進むボタンも、結構使い易いですね。
メールを見ていると違うメールの内容を参照したくなり、そのメールを探していると最初のメールを見失う・・・なんて事があったりします。戻るボタンで最初のメールに戻れば解決です。
Gmailや.Mac等のWebメールとの連携の強化もいいです。面倒な入力がだいぶ軽減されました。
ツール > アカウント設定 でアカウント設定画面を表示して、左下の「アカウントを追加」ボタンをクリックします。最初から「Gmail」のアカウント設定項目があるので選択します。メールで表示する名前とメールアドレスを入力します。設定の一覧が表示されますので次へ進めば完了です。これで完了です。あとは受信時にパスワード入力をするだけです。パスワードは保存して次回から入力不要も可能です。




但し、Gmail自体にメーラーで受信する場合(POPというメールの受信方法)の設定があります。設定していない場合は下のようなメッセージが表示されます。Gmailにアクセスして、設定画面のメール転送とPOP設定で「POPダウンロード」の設定を行います。初期設定では無効になっています。無効にしたい場合は画像では出ていませんが「POP を無効にする」という項目があります。


かなり簡単になったと思いますが、いかがでしょうか?
私は Thunderbird はRSSリーダーとして使っています。
RSSリーダーは認知度は高まりましたが、まだまだ使われていないのが現実らしく、もっと使ってみて欲しいと思いましたので使い方の説明を中心にしてみました。実際にニュースサイト等を見ていても活発なサイトほど情報量が多すぎて、見たい記事が見つけづらい事もあります。RSSリーダーで記事の一覧を取り込み、さらに検索フォルダで抽出すると、自分好みの記事だけを見ることも出来ます。是非、Thunderbird を試してみてください。
但し、すぐに本格使用するかどうかは、お任せします。大きいバージョンアップ(メジャーバージョンアップ)というのは、それなりにバグが含まれている可能性があります。あくまでも私の場合ですが、終了時によくエラーが発生しています。メール本文を開いてタグ付けを使用とするとタグ一覧が見れなく、プレビュー画面とフィルタでしか付けれません。また、メッセージフィルタを既存メールに対して行う「今すぐ実行」ボタンも効いていません。
メールは消失してしまうと取り返しがつかないことがあります。そういう意味では本格的にメールソフトとして使う場合はマイナーバージョンアップ、例えば2.0.1等が出るのを待って安定するのを待つ方がいいかも知れません。私の場合、Thunderbird はRSSリーダー機能メインで、Gmailのバックアップとして使っているため最悪の状況でもそれほど痛くないので、βバージョンから使っていました。
まずはこのようなRSSリーダーとして試してみて下さい。