2005年07月24日

三菱のリコール問題で

今更、三菱自動車のリコール問題をあげてもなんですが、「裁かれる三菱自動車」小林 秀之 (著) というのが、6月ぐらいに出版されていたらしく、他の人のブログでちょっと見かけたので、取り上げてみますね。


そもそも、リコールってなんでしょう?
不具合を修正するモノであり、その程度により、リコール、改善対策、サービスキャンペーンとなります。

【リコール】
「道路運送車両の保安基準」に適合しない、適合しなくなる可能性がある状態を修理する。

【改善対策】
「道路運送車両の保安基準」に適合するが、安全や公害防止のために放置出来ない状態を修理する。

【サービスキャンペーン】
上記に該当せず、改善のために国交省に通知して修理する。


別に、欠陥車のレッテルを貼るために存在するわけじゃありません
1,500cc車で約3万点の部品を使う自動車、完全無欠と言い切るには難しいほど複雑かつ精密な機械なんですね。事故を起こした時のためのエアバッグですが、これが作動する確実性は、99.9999%(9が6つ並ぶのでシックスナインと呼ばれる精度)です。逆に言うと、これほど大事な部品でもやはり100%確実なのは難しいのです。なので、リコールとは予期せぬ不具合に対する救済処置です。それは実際に乗っているユーザ、作ったメーカー、認可した国に対してです。

え?国?
乗ってるユーザは治るし、メーカーは作った側だからわかるけど、どうして国?
そうです、新車を発表するためには、国、この場合は国土交通省の施設で検査を行い、それに合格した車両のみが販売可能のとして、「型式」を与えます。つまり、国がその車両を審査して問題なしとして販売を許可したのに、それが問題を起こしたわけです。許可した国も責務を負うべきでしょう。なので、機械は不具合が付き物であり、リコールという修理で納めましょうという制度なのです。


リコールは実際には非常に多いです
ブレーキに関する不具合や、車両炎上に関係するリコールなんて、よくある話です。ただ、一般的なニュースで全て放送されるわけでもなく、放送されても10秒ぐらいのニュースでそのまま終わるので覚えていないだけなんですね。車好きの人からすると、リコール情報の多さは結構身に染みていると思います。例えば、下の国土交通省のサイト等で確認出来ます。

 自動車不具合情報ホットライン(国交省)
 Yahoo!リコール情報

例えば、トヨタの05年05月の届け出は10件でした。燃料が漏れる、制動力が落ちる、走行不能になる。。。世界のトヨタでも、こんな事が高速道で発生したら洒落にならない事をリコール届けしています。それほど多いモノなのです。


これがリコール隠しとなると、話は別です。
特に、ハブ(タイヤを受け止める軸受け)強度が足りないとわかってからもそのまま売るなんて、言語道断ですね。ましてや、ディーラーに持ち込まれたモノだけを闇修理して、他は対象外のまま放置。コレに関して、三菱ふそうは言い訳出来ないと思います。


ただし、発表された100を超えるような数が全てリコール隠しの結果だったかというと、疑問を感じます
通常、リコール対応は原因追及してその対策品を用意して初めて行えるのです。原因追及というのは非常に難しく、場合によっては5年以上もかかる事があるそうです。それから対策品を用意するという時間がかかるものなのです。
これが「クレーム隠し」という事からメディアで叩かれ、とりあえずなんでもかんでもリコールとして提出したため、変な内容までリコール扱いになっています。「経年劣化により、方向指示器のコーティング剤がはがれて、白っぽくなる」等です。これがリコールになるかというと、経年劣化ということもあり、非常に疑問です。



「でも、三菱自動車の車両火災って多かったよね?」という疑問があると思います。
当時、連日のように三菱の自動車が燃えていましたよね。その割には、今は全然そういう話が出てきません。どうしてでしょう?


さて、問題です。
車は放火や事故を含めて、毎年何台燃えてるでしょう?


答え:約8000台!!

ちょっと驚いて貰えたでしょうか?つまり、毎日20台ちかく燃えているのです。
詳しいデータを挙げてみましょう。下の資料は平成14年のデータです。

車両火災総数 :7785件
==============
放火     :2043件
事故・衝突  :309件
タバコ    :290件
車両の配線  :884件
排気管系   :786件
原因不明   :3473件

放火・事故・タバコは、要因が別ですよね。
配線と排気管系は車両自体の設計ミスもありますが、周りにもよくいませんか?自分でターボのブースト計を付けたとかマフラー換えたとか。そういう素人作業から発生したモノが多数存在します。実際、当時の三菱の車が燃えた事に関しても、自分で取り付けたターボタイマーの配線ミスからの出火もありました。つまり、ユーザが関係するトラブルというのは非常に多いのです。
そして、「原因不明」。半分近くが理由が解明出来ていないのです。日本で毎日10台は原因不明で燃えているのです。そうすると、トヨタも台数から考えると毎日原因不明で燃えているはずです。

おかしくありませんか?
これほど原因不明や配線ミスなどによる出火が多いのに、原因を特定もせずに三菱車が燃えたからといって、三菱が悪いような報道は?そして、三菱だけが報道されるのは?



また、三菱車が壊れやすいというイメージも多いみたいですが、逆に、三菱車は比較的丈夫と思って貰ってもいいと思います。

なぜ?
トラックは三菱ふそう製が多いです。理由は、三菱のトラックは頑丈だからというトラック業界の認識だからです。頑丈と思われているから、逆に過積載が他よりも多いという悪い側面もあります。度を超す過積載はメーカーの想定外だけに、トラブル率も高くなりがちです。もちろん、タイヤを受け止めるハブもその影響を受けるのは当たり前です。本当に、全てのハブの破損がちゃんと最大積載量内で使われていたか?という疑問があります。単に定期点検を受けていれば安全というのは、甘いです。あくまでも、その時点では問題ないというのが点検なのです。

また、私が好きなWRC(世界ラリー選手権)の世界でも、三菱は非常に有力で、グループNという市販車に小改造を加えるカテゴリーで、7年連続優勝という快挙を成し遂げています。つまり、それほどベースとなる車両の性能がよく、壊れづらいという事なのです。また、日本のラリーでも三菱車は壊れにくいため多いの特徴です。そんなのは特殊だ!と言われるかもしれませんが、実際には共用部品というのは多く、ベースとなる技術力を養っているという点で評価するべきですよね。


三菱が燃えやすい・壊れやすいというイメージは、メディアによる過剰な三菱バッシングの結果とみていいでしょう。


色々と書きましたが、リコールをむやみに怖がらないで欲しいのと、三菱が特別危険というわけではないので三菱車を必要以上に怖がらないで!と言いたいです。
posted by 藍旋 at 00:50 | Comment(11) | TrackBack(6) | クルマ
この記事へのコメント
おはようございます。TBありがとう。
三菱自動車が燃えやすいみたいなイメージを植えつけたマスコミの報道の有り方にも問題があります。ベンツの燃えている映像も時々流していた記憶があります。モータージャーナリストの間では、「リコールは三菱自動車だけの問題ではない」旨の事が言われていました。人間が設計、製造している限り、後から大なり小なり問題が出てきます。そこでの対応が、顧客を向いているかいないかで違ってきます。三菱は、自社の方を向いていたのでしょうね。
Posted by Chobi at 2005年07月24日 06:52
TBありがとうございました
Posted by たまちゃん at 2005年07月24日 13:35
きのう、ここへ三菱とここで三菱とここへ車両っぽい対策した?
なのできのうトロが、逆とか用意するはずだったの。
なのでトヨタと車みたいな排気するはずだったみたい。
なので三菱は対応されたみたい…
そもそも三菱自動車は防止された!
Posted by BlogPetの「トロ」 at 2005年07月24日 16:50
Chobiさん、こんばんわ〜♪
人が作る以上、100%はありえないのでリコールは仕方ないと思うんですけど、三菱上層部の「三菱グループに卸すだけで十分儲かる」という甘えが、ユーザやディーラ等に対する配慮不足になっていったんでしょうか・・・

たまちゃんさん、こんばんわ〜♪
また見に来て下さいね〜
Posted by 藍旋 at 2005年07月24日 22:49
お邪魔します。
なるほどっと言った感じです。
しかし「社会全体に浸透した負の遺産」は大きい。この払拭にはどのくらい掛かるのか、それが行動でも問われていますね。
Posted by yutakami at 2005年08月09日 11:26
yutakamiさん、こんばんわ〜♪
三菱が植え付けてしまった自動車に対する不安感は非常に大きいと思います。それを回復するのは、三菱の真摯な対応なのですが、作業手順を守らない事からまたニュースになってしまいました。
他メーカーの整備員に援助を頼むほど苦しい時期もあったようですが、信頼のためにも、今こそ、丁寧な作業をして欲しいです。。。

それまで愛車と言っていた三菱車を今は手放したいという話を聞くと、クルマ好きには切ないです。
Posted by 藍旋 at 2005年08月09日 18:02
で、変なイメージを植えつけ、ヒステリックな報道をしたマスコミはまたまたお咎め無しですからね。
無責任な。
Posted by takeyan at 2005年08月12日 00:15
takeyanさん、こんにちわ〜♪
「今回炎上したトラックは三菱製ではありませんでした」という言い方をする場合もありますよね。。。さすがに閉口しちゃいますよね。
まだ昔の体質を引きずっているのでは?と思われている三菱ふそうの経営陣はもっと刷新するべきだと思います。
Posted by 藍旋 at 2005年08月12日 13:47
トラックバック頂き、有難うございました。
メディアに依る過剰なバッシング。車両火災の件数の比。共に認知しておりましたが、私があそこで申したかったことは、三菱の体面を重んじて闇改修に励んだ結果、どれだけのユーザーが迷惑に思い、また不安に思ったかを表したかっただけです。
どれだけ年を経ても、道路を走るときに巨大なトラックのそばに寄らざるをえない状況が気に掛かるものか。それが三菱であってもなくても。
その感覚を三菱に汲んでほしかったのです。
Posted by stickman at 2005年10月08日 23:45
stickmanさん、こんばんわ〜♪
あ、もちろん、ちょっと記事違いなのはわかっていたんですよ!
行き過ぎなぐらいに三菱嫌いになった人が多いので、少しでも「勘違いの人は」減らしたいので人目について欲しくてTBさせて貰ったんですね。
私も、三菱の企業体勢に不信感を覚えるのは当たり前だと思うので・・・あくまでも燃えやすいとかのイメージだけは、ちょっと違うので。
Posted by 藍旋 at 2005年10月09日 00:45
自分は三菱キャンター愛用してます!仕事の相棒としてとても頼もしく走ってくれてますよ、リコール前も特に故障なしでしたから信じられなかったです!三菱自動車だけ責めるのは?と私は感じてなりませんね。
Posted by PIPE at 2008年11月20日 22:23
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