2005年11月02日

JR西日本のATSのミス発覚

もう、本当にガッカリです。福知山線脱線転覆事故の事故の教訓は、JR西日本にとってただのお飾りだったのが証明されてしまいました。

 新ATSに設計ミス、速度超過でも減速せず JR西 (asahi.com)
 新ATS設計ミス、JR西2カ月未公表 不信拡大 (asahi.com)
 新ATS、宝塚線でも設計ミス 把握後も工事続行 JR西 (asahi.com)
 負傷者3割が補償合意 3000万円を支払い JR西脱線 (Sankei Web)

脱線事故は速度超過が原因であったため、カーブや分岐点前に新型の自動列車停止装置「ATS-P」を設置していますが、74カ所も設計ミスがあったそうです。そのうち30カ所は5〜35km/hも速度オーバー出来るようになっていました。逆に5km/h低い場所が44カ所ありました。さらに、設置時に5km/h遅い事に気付きながらも設置しました。

一体、何のために設置したのでしょう?
9月に国交省から指摘があってミスに気付いたとありますが、事故直後の調査として5月に22カ所で基準より低い値で設定していた事に気付きながら、そのまま放置。つまり、そういう可能性があるということを察知しておきながら、他の路線を放置していたのです。そして、国交省に注意されてそそくさと改修していたのです。そして、発覚から2ヶ月近くも経ってから公表。

事故当時、カーブ内の制限速度が70km/h、電車の速度系の残っていた記録が108km/h(脱線速度が108km/hだったかは不明)のためオーバー速度は38km/h(と、思われます)。つまり、出す・出さないは別として、35km/h超過できる新型ATSが設置されていたという事実は非常に怖い事です。

また、5km/h遅い事も問題です。
もともと制限速度一杯で走る事自体が少ないわけですが、少々の遅れは制限速度一杯で走る事により追いつこうとするわけです。これは勿論、当然の行動です。それが例え5km/hとはいえ遅れが埋まらず、早く差を埋めないとと思うプレッシャーに繋がります。それが積み重なってヒューマンエラーが発生するのです。


なんのためにこんな後に?
そうですよね、事故半年の節目の10月25日を非難の中で迎えたくないですよね。そうですよね、こういう事が発覚すれば、JR西日本主催の説明会なんて開くのは世間が許しませんよね。そうですよね、負傷者の3割(対象は軽傷者?)に対しての補償金問題が解決したんですし頃合いですよね。そうですよね、広島でJR西日本のフェリーが宮島桟橋で衝突事故を起こした上にそのまま一往復半も運航を続けたという信じられない事件が起こるとさらに言いそびれますよね。

JR西日本のフェリーが宮島で起こした衝突事故、私はその事実しか知らずに仕方ないと思っていました。船の故障というニュースだったので、海の上という不安定要素が多い乗り物だけに衝突や座礁などは絶対にないと言い切れないからです。ですが、問題は「事故後にそのまま一往復半も運航を続けて数百人ほど運んだとみられる。」「同海保に通報があったのは事故から約五十分後だった。」(中国新聞地域ニュース)です。半年前に、事故によって人が死んだ事故を起こしたのは自分達のグループ会社だという事を忘れたのでしょうか? この事故は負傷者も特になかったため、扱いが小さく、全然顛末を知りませんでした。『森羅万象?! 痛快?なりゆき言いたい放題!お気楽Blog ブロブロ☆ブログ!』さんから教えて頂いて初めて気付きました。遅ればせながら、ありがとうございます。

今回のATSの設計ミスがあった路線は私が乗る路線です。それだけに本当に怖いんです。これだけの事故が1ヶ月前に起きていながらも、まぁいいかでそのまま工事を続けるこの企業の考え方が怖いです。

今回の新内閣はどのような判断を下すのでしょうか? 国交省は公明党の北川一雄交通相(留任)になるんですね。対応に期待したいのですが・・・今までの事を考えると甘そうな気がします。


そして、脱線事故発生時に社員一丸となって救助活動に当たって頂いた「日本スピンドル製造株式会社」様が人命救助に尽力した人に贈られる紅綬褒章を受賞しました。同日にここまで違うニュースを聞くとは皮肉な話です。

 秋の褒章、渡哲也さんや鳳蘭さんらに (読売新聞)



【関連情報】
4・25ネットワーク (JR西日本福知山線脱線転覆事故 遺族・負傷者のネットワーク)
JR福知山線脱線事故 (ウィキペディア)


【私の記事】
JR西日本と系列は本当に事故を受け止めていますか
JR西日本、遺族主催の説明会にまたも拒否
JR西日本は遺族主催の説明会に主席意欲なし
JR西日本脱線事故の被害者ネットワーク
JR車両に「107命」等の落書き
posted by 藍旋 at 15:33 | Comment(2) | TrackBack(2) | 気になるニュース
この記事へのコメント
「とりあえずATSをつけとけ」という程度の意識の軽さを感じてしまいました。
JRも言い訳はいくらでもあるようですけど、それじゃぁ、あの事故の被害者は何だったのかと問いたくなりました。
関西ではきっと大きなニュースだったと思うのですが、関東ではさほど報道されていなかったので、記事にしてTBさせていただきました。
コメントありがとうございました。
Posted by ko-bar-ber at 2005年11月04日 21:55
ko-bar-berさん、こんばんわ〜。
実際の所、最近は西日本でもJR西日本の事故の情報は地方情報にあるだけで、思った以上に目に付きません。安全を確保したいという気持ちが本当に上層部にあるのか非常に疑問を感じています。

こちらでも、JR西系列会社の話を聞いた人が怒りの声をあげています。
http://twobcherry.seesaa.net/article/8638498.html

公共交通機関を安心して使える日を早く迎えたいので、話を風化させたくないと思います。
Posted by 藍旋 at 2005年11月04日 22:33
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変わらないJR西日本
Excerpt: 『産経新聞(05/11/04)』 JR西日本 これで「再生」できるのか  列車の速度超過を制御する自動装置が作動しないという信じられないようなミスがまた、JR西日本で発覚した。外部からの指摘によっ..
Weblog: =社説は語る=
Tracked: 2005-11-04 21:18

JR西日本・ATS-P設定ミス、そして「安全研究所」を設置。
Excerpt: 最初にこの報に接した時、「相変わらずか」と思ってしまった。 「JR西日本 新型ATSの96カ所で設定ミス」(毎日新聞、11/2) 「JR西 新型ATSで設定ミス 30カ所ブレーキ作動せず」(産経新聞..
Weblog: Simplex's Memo
Tracked: 2005-11-04 21:37
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